腰に手を回すと肩が痛い|五十肩だからと我慢していませんか?

服を着替えるときや、ズボンの後ろのポケットに手を伸ばすとき。腰に手を回そうとすると、肩が痛むことはありませんか?

「五十肩と言われたから…仕方ないのかな」
「時間がたてば落ち着くと思っていたけれど…まだつらい」

そんな思いで、日々の不便を我慢されている方もいらっしゃるかもしれません。

櫻花堂治療院には、こうした肩の痛みでお悩みの方が鍼灸の相談にいらっしゃいます。今回は、腰に手を回すときの肩の痛みについて、当院で確認しているポイントと西洋医学・中医学の両面からの施術の考え方をご紹介します。

① 肩の動きには、たくさんの筋肉が関わっています

肩の主な筋肉を前面・後面から示した図。三角筋、大胸筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋などの位置を表示

肩は、腕を上げる、後ろへ伸ばす、内側や外側へひねるなど、さまざまな方向に動く関節です。

その動きを支えているのが、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋という4つの筋肉です。これらは「腱板」と呼ばれる筋肉と腱の集まりをつくり、肩の関節を安定させています。

さらに、三角筋、大円筋、広背筋、大胸筋なども腕の動きに関わります。肩甲骨を動かす僧帽筋、前鋸筋、菱形筋などの働きも欠かせません。

腰に手を回す動作も、一つの筋肉だけで行っているわけではありません。腕を後ろへ動かし、内側へひねり、肘を曲げる動きに、肩甲骨の動きも組み合わさっています。

そのため当院では、痛む場所だけでなく、「どの動きがつらいのか」「どこまで動かせるのか」を確認しながら、肩全体の状態をみていきます。

② 肩の前側にある「上腕二頭筋長頭」にも目を向けます

上腕二頭筋の長頭・短頭と長頭腱の位置を示し、長頭腱が肩から上腕へ続く様子を色分けした図

当院で、肩の痛みを確認する際に大切にしている部位の一つが、上腕二頭筋長頭と、その腱の周辺です。

上腕二頭筋は、いわゆる「力こぶ」をつくる筋肉です。肘を曲げたり、手のひらを上に向けたりするときに働きます。そのうち長頭の腱は肩の前側を通り、肩甲骨につながっています。

この腱に問題があると、肩の前側が痛んだり、腕を後ろへ伸ばす動作で痛みが出たりすることがあります。

この9月・10月、当院では、腰に手を回すと痛むという方で、上腕二頭筋の周辺に強い張りや圧痛がみられるケースが続きました。肩だけでなく、腕の使い方まで丁寧にうかがう大切さを、改めて感じています。

ただし、「腰に手を回すと痛いから、上腕二頭筋長頭が原因」とは限りません。 触れたときの硬さだけで原因を決めることもできません。関節や腱板などの状態も含め、複数の要素を考える必要があります。

「五十肩」という診断を受けている方も、その診断やこれまでの治療経過を大切にしながら、今ある痛みと動きに目を向けていきます。

③ 日常の腕の使い方も、施術の手がかりになります

仕事や家事、抱っこ、荷物の持ち運びなど、日常生活には肘を曲げて腕を使う場面がたくさんあります。

肘を曲げること自体が悪いわけではありません。ただ、繰り返す動作や、力を入れたまま支える姿勢が、肩や腕への負担につながっている場合もあります。

「仕事で腕をよく使う」
「荷物を持つと肩の前側がつらい」
「最近、後ろに手が届きにくくなった」

そんな方は、普段どのように腕を使っているかも、ぜひお聞かせください。何気ない生活の中に、施術やセルフケアを考えるヒントがあるかもしれません。

④ 中医学では、痛み方や身体全体の状態もみていきます

櫻花堂治療院では、筋肉や関節の状態を確認するとともに、中医学の視点からも肩の痛みを捉えています。

中医学には、気や血の巡り、冷えなどと痛みとの関係を考える、伝統的な見立てがあります。

例えば、同じ場所にとどまる刺すような痛みでは「瘀血(おけつ)」、張るような痛みやストレスとの関係では「気滞(きたい)」、冷えるとつらくなる痛みでは「寒邪(かんじゃ)」の影響などを考えます。

これらは、西洋医学の炎症や血流障害などと、そのまま同じ意味になるものではありません。また、一つの特徴だけで決めるものでもありません。

いつから痛むのか、温めるとどう変わるのか、睡眠や疲れの状態はどうか。お話をうかがい、必要に応じて舌や脈なども確認しながら、身体全体の状態を捉えていきます。

同じ「肩が痛い」というお悩みでも、その方の状態に合わせて施術を考える。 それが、当院で大切にしていることです。

⑤ 「仕方ない」と思う前に、一度お話を聞かせてください

肩の痛みは、着替えや家事、仕事など、毎日の小さな動作に影響します。周りには伝わりにくくても、ご本人にとってはつらいことですよね。

「五十肩と言われたけれど、今も困っている」
「鍼灸で相談できることがあるなら、話を聞いてみたい」

そのような方は、一度、櫻花堂治療院にご相談ください。

鍼灸が適しているかも含めて状態を確認し、必要に応じて医療機関での検査や治療もご案内します。急な強い痛みや、けがの後に腕が上がらない場合などは、まず医療機関へご相談ください。

痛みを我慢してきたことも、これからできるようになりたいことも、どうぞ遠慮なくお聞かせください。今のお身体に合った方法を、一緒に考えていきましょう。

ご予約・ご相談は、櫻花堂治療院の公式LINEから承っております。

⑥ このような肩のお悩みでご相談いただきました

症例① 腰に手を回すと肩が痛む

腰に手を回すと肩が痛み、着替えなどの日常動作にお困りの方がご相談にいらっしゃいました。

医療機関では「五十肩」と診断され、リハビリを勧められていましたが、痛みについて何かできることはないかと、当院にお越しになりました。

お話をうかがうと、お仕事中に利き腕ではない側の肘を曲げたまま、腕を使う時間が長いとのことでした。同じようなお仕事をされている方にも、肩の痛みを感じる方がいらっしゃるそうです。

肩や腕の状態を確認し、上腕二頭筋の周辺が痛みに関わっている可能性を考え、その部分を含めて鍼施術を行いました。施術後には、肩の動かせる範囲に変化がみられました。

症例② パソコン作業が続く中で、肩の痛みにお悩みの方

こちらも医療機関で「五十肩」と診断され、リハビリを勧められていた方からのご相談です。

普段、パソコンを使う時間が長く、肘を曲げた姿勢で作業を続けることが多いとのことでした。

当院では、肩の動きとあわせて腕の状態も確認し、上腕二頭筋の周辺に着目して鍼施術を行いました。

肩の痛みは、お一人おひとりの状態を大切に

この2例では、日常的な腕の使い方も、肩の状態を考えるための手がかりとなりました。

ただし、肘を曲げることや、上腕二頭筋の状態だけが肩の痛みの原因とは限りません。当院では、医療機関での診断やリハビリの方針も大切にしながら、痛む動きや生活の中での身体の使い方をうかがい、その方に合った施術を考えていきます。

※プライバシーに配慮し、個人が特定されないよう、職業などの記載を一部調整しています。
※施術後の経過や感じ方には個人差があります。

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著者:櫻花堂治療院 院長 大久保昌哉

横浜市緑区長津田にて櫻花堂鍼灸院を運営している大久保昌哉です。スポーツトレーナーとしての経験や介護福祉士としての資格を持ち、身体と心の健康をサポートするための情報をお届けしています。不眠症や冷え性、自律神経失調、腰痛、肩こりなど慢性的な疾患やケガなどの改善を得意としています。

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