肩が痛くなる原因と対策:深掘り解説いたします!

1.はじめに

いつも長津田櫻花堂治療院のホームページをご覧いただきありがとうございます!本日は『肩が痛い』についてのお話しです。この腕を上下左右に動かす時に関与する肩は、沢山の筋肉が関節を走行しております。『フライパンを持つときに痛い!』『洗濯物を干す時に痛い!』日常生活で多くの方が一度は肩の痛みを経験した事があると思います。この痛みの原因は多岐にわたり、筋肉の緊張や過労、姿勢の悪さ、ストレス、冷えなどが挙げられます。今回は『肩の痛み』について原因と痛み解消に効果的なツボのご紹介をいたします。また、長津田櫻花堂治療院ではどのような治療をしているかも併せてご紹介いたします。

2.動作別痛みの原因と治療方針

①腕を外側に広き始めが痛い

外転1_長津田鍼灸院秉風_長津田鍼灸院

腕の開き始めで特に肩が痛む場合は『秉風(へいふう)』というツボを押してみましょう。

秉風の見つけ方

肩の少し下のほうで、背骨から10cmほど外側から肩に向かって横に出ている肩甲骨の出っ張りを見つけましょう。この骨が当たるか当たらないか位、少し上を目標に痛気持ちいい場所を探して10秒ほど押します。

ちなみに…

このツボの『秉』の字ですが『イネやワラを束ねた様子』という意味があるそうです。昔の人は背中から盛り上がっている肩甲骨を見て『稲を束ねたような出っ張りの近くにあるツボ』として名付けたのかもしれませんね!

当院の治療方針

長津田櫻花堂治療院では肩甲骨の真上にある『棘上筋(きょくじょうきん)』という筋肉が硬くなっている事が痛みの第一原因と考えます。まずは患部が緩むよう鍼や指圧を行います。もしも施術後痛みが取れない場合は首や肋骨の筋肉、背中の筋肉に硬さがないか原因範囲を広げ調べます。

深掘り解説!

腕を広げる動作の主役はもちろん三角筋です。しかしこの棘上筋、腕を15°位まで広げる時に補助をしてくれたり、腕の骨と肩甲骨が離れすぎないように固定してくれたりとかなり良い仕事をしてくれます。その代わり疲れやすくて痛めやすいです。腕を広げる動作はもちろん、他の動作で痛くなった場合もこの筋肉が原因の可能性は大いにあると思います。

②腕を真横に広げたあたりが痛い

外転2_長津田鍼灸院 肩髃中_長津田鍼灸院

①とは違い、真横に広げる角度が大きくなる程痛みが出る場合には『肩髃(けんぐう)』というツボをまず見つけます。そこから画像のように赤い線を押していくと痛気持ちいい場所があると思います。そこを10秒程押してみましょう。

肩髃の見つけ方

肩の一番外側。衣服で言うと袖と身頃(胴体)を繋ぐ縫い目に手の平を置きます。そこから腕を少し広げ、エクボのような凹みが肩髃になります。

当院の治療方針

長津田櫻花堂治療院では三角筋中部が痛みの最有力候補と考えます。「他の治療院でもそこは触られましたよ。」と言われても、注意深く筋繊維を一本ずつ探っていくと原因が見つかる場合は多くあります。もう一度診る了承を頂き、もしも無い場合は背中や脇腹の筋肉に原因が無いか範囲を広げます。

深掘り解説!

肩のトレーニングをされている方はご存じだと思いますが、この真横に広げる動作、その他の腕を前方や後方に挙げるトレーニングよりかなり重たいダンベルでもできます。重たい物でも挙がるという事は、その分沢山の筋肉が動員されているという事ですね。また、力を発揮している筋肉とは反対に、伸びている筋肉も治療では重要なパーツとなります。

③腕を前に上げると痛い

屈曲_長津田鍼灸院 肩髃前_長津田鍼灸院

手の甲を上に向け、腕を上に挙げると肩が痛む場合は②のように肩髃(けんぐう)を見つけましょう。そこから少し前側の赤いラインを押していくと痛気持ちい場所が見つかります。そこを10秒程押してみましょう。

当院の治療方針

長津田櫻花堂治療院では三角筋前部繊維から原因を探します。もしも見つからない場合は胸の筋肉や脇腹まで範囲を広げ原因を探します。

深掘り解説!

筋トレ界ではお馴染みの『フロントレイズ』という動作で動員される三角筋前部。実は最近この前部繊維は日常生活でよく使われているからやたらとトレーニングしなくて良い。という声が上がっています。よく使っているという事は痛めやすくもありますね。腕立て伏せのように急に手を突いて肩が痛くなった場合はこの辺りを痛めてしまった可能性が高いと思います。

④前ならえの動作が痛い

屈曲回外_長津田鍼灸院 尺沢_長津田鍼灸院

日常生活で一番多く行う動作です。親指を上に向け、腕を挙げた時に肩が痛む場合は『尺沢(しゃくたく)』を押してみましょう。

尺沢の見つけ方

尺沢は肘の内側にあるツボです。肘を軽く曲げ、赤丸あたりにある力こぶのコリコリした腱を探します。そこから親指側にズラし、痛気持ちい場所を10秒程押してみましょう。

当院の治療方針

長津田櫻花堂治療院では前ならえの動作で肩が痛む場合は力こぶの筋肉『上腕二頭筋』が原因であると考えます。さらに「肘を曲げて腕を挙げると痛みが軽減する」場合にはその可能性が高いと考えます。まずは上腕二頭筋やその腱が通る肩関節の骨の溝に硬さがないか探し、痛みが取れない場合は肩の前側や背中の筋肉に原因がないか範囲を広げます。

深掘り解説!

肩が痛い=肩を変に動かしたから。と思われがちですが、実はパソコン作業など腕を曲げた姿勢を長く続けていただけでも肩は痛くなります。この場合の原因のほとんどが上腕二頭筋のような気が体感ではあります。フライパンを振り過ぎた。手すりを持ちながら階段を上がった後に痛くなった場合はこの可能性が高くなります。

⑤腰に手を回す動作で痛む

結帯障害_長津田鍼灸院 天宗_長津田鍼灸院

⑤と⑥の動作は五十肩のテストとしても有名な動作です。帯を結ぶように腰に手を回す『結滞動作(けったいどうさ)』によって肩が痛む場合は『天宗(てんそう)』というツボを押すと痛みが和らぐ場合があります。痛気持ちいい場所を見つけ、10秒程押してみましょう。

天宗の見つけ方

背骨から10㎝程外側の肩甲骨の出っ張りの真ん中から下になります。

当院の治療方針

長津田櫻花堂治療院では結滞動作で肩が痛む場合は肩甲骨の背中側にある『棘下筋(きょっかきん)』に原因があると考えます。また、それと連動する『小円筋(しょうえんきん)』など、腕を外側に回す筋肉に原因が無いか一つずつ見つけていきます。

深掘り解説!

肩甲骨の前後にはペタっと2つの筋肉が骨を挟むように存在します。この2つの筋肉が上腕骨に付着し、腕の回旋を補助します。『肩を動かしていないのに、腕を回すと肩が痛い。』という方はこの筋肉が原因の可能性が高いと考えます。

⑥頭の後ろを触る動作で痛む

結髪障害_長津田鍼灸院 肩貞_長津田鍼灸院

髪を結ぶように頭の後ろに手を回す『結髪動作(けっぱつどうさ)』で肩が痛む場合は肩貞(けんてい)を見つけましょう。

肩貞の見つけ方

反対の手の平を脇の下に挟むように入れ、指先を少し後ろの方にズラすと痛気持ちい場所がみつかります。そこを10秒ほど押してみましょう。

当院の治療方針

長津田櫻花堂治療院では結髪動作で肩が痛む場合は肩甲骨の前側にある『肩甲下筋(けんこうかきん)』に原因があると考えます。また、それと連動する『大円筋(だいえんきん)』など、腕を内側に回す筋肉に原因が無いか一つずつ見つけていきます。

深掘り解説!

二足歩行の宿命として肩こりがよく挙がりますが、それと同じく五十肩も人類にとって大きな問題だと思います。ある日突然痛みが始まり、痛みの軽減ととも肩の可動域が狭くなる。そして時間とともに何ともなくなる。早いかたは数週間。長いかたは年単位で悩まされていたと聞いた事があります。筋肉にアプローチする鍼灸では可動域制限の期間を短くするのは有名な話ですが、中医学で考えた場合は痛みの出始めからアプローチできます。この理論に出会ったのも私が中医学を勉強しようと思うキッカケでした。

3.おわりに

腕は一本あたり平均して3kg~4kgの重さがあります。日常生活ではその重さを含めて腕を動かし、なおかつ物を持っている場合はその重さが『てこの原理』で加わります。このように何気ない動作でも色々な筋肉が連動し、負担を分散しているのですが、いつのまにか姿勢の悪さや寝方、使い過ぎなどが原因で肩に痛みが生じます。今回掲載した動きのテストで痛む場所を見つけ、ツボ押しで解消できれば幸いです。もしも痛みが残っていたり、その他の解消法などがお知りになりたい場合はいつでも長津田櫻花堂治療院へご連絡下さい。

※慢性的に肩が痛い。じっとしても痛いかたは下もお読みください。

4.その他筋肉以外で起こる肩関節の痛み

以上がご家庭でもできる方の痛みの原因と対処方法ですが、慢性的に肩が痛い場合は下記のような病気が潜んでいるかもしれません。ご家庭で対処する前にチェックしてみましょう。

①肩関節周囲炎(五十肩)

肩の可動域が痛みで制限される状態。40代~60代に多く見られる。通常片側だけに発症し、突然痛みが出現する。数日から数週間の強い痛みの後、数か月から1年ほど痛みと可動域制限が残る。(鍼灸治療では、痛みが無く快適に動かせるまでの期間を短くする効果はあると言われています。

②腱板損傷or断裂

肩を支えたり、運動する時に使われる筋肉の一部が損傷あるいは断裂した状態。これにより動作時や安静時に痛みが生じる。40代以降の男性、特に利き腕側に発症するケースが多い。肩関節周囲炎と違い、痛みによる可動域制限は無い。

③関節リウマチ

自己免疫疾患により関節に炎症が生じる病気。この症状が肩関節に発生し、痛みや腫れが起こる。

④石灰化腱炎

肩を支えたり、運動する時に使われる筋肉にカルシウムを主成分とする石に似た物質が溜まってしまう病気。これにより痛みや炎症を引き起こす。

⑤関節や滑液包の炎症

肩関節を構成する関節や、動きを滑らかにしたり摩擦を軽減する袋が炎症を起こして痛みや可動域の制限が起こる状態。

⑥上腕骨頭骨折

上腕骨の頭部が骨折することにより、肩に激しい痛みが生じる。転倒など、肩を強く打った後に痛みが生じた場合は一度整形外科の受診をおすすめします。

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著者:櫻花堂治療院 院長 大久保昌哉

横浜市緑区長津田にて櫻花堂鍼灸院を運営している大久保昌哉です。スポーツトレーナーとしての経験や介護福祉士としての資格を持ち、身体と心の健康をサポートするための情報をお届けしています。不眠症や冷え性、自律神経失調、腰痛、肩こりなど慢性的な疾患やケガなどの改善を得意としています。

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