国民の4人に1人が経験⁉睡眠障害のメカニズムと改善方法
1.はじめに
数あるホームページから長津田櫻花堂治療院のページを訪れて頂きありがとうございます。誰もが必要とする睡眠…皆さんは自信を持って「毎日快眠です!」と言えますでしょうか?睡眠に関するお悩みは大小関わらず、国民の4人に1人が一度は経験していると言われています。私自身も考え事をしながら布団に入ってしまい、気がついたら朝になっていた事が年に何度かあります。今回は現在、そしてこれから睡眠に関して悩んでしまった時に心穏やかに対処できるよう、睡眠障害の事についてお話ししたいと思います。最後には櫻花堂治療院で私が考える睡眠障害のメカニズムや治療方針、すぐにできる対処法などをお話しいたします。
2.睡眠障害のメカニズム
睡眠障害とは…
睡眠に関して何らかの問題がある状態。『入眠障害』『中途覚醒』『早期覚醒』『熟眠障害』など、布団に入ってから起きるまでに様々なパターンがあります。
睡眠障害が日常に与える影響
多くの人の場合、適切な時間の睡眠によって記憶の整理や身体の修復が行われます。この睡眠が不十分になると日中の気だるさ・急な眠気・集中力や記憶力の低下が起こります。
睡眠障害の症状
世界数か国の睡眠学会により制定された『睡眠障害国際分類』によると、大きく7タイプに分かれ80種類に分類できるようです。以下はその7タイプと症状です。
①不眠症
入眠・熟眠障害、中途・早朝覚醒など
②睡眠関連呼吸障害群
睡眠時無呼吸症候群など
③中枢性過眠症群
ナルコレプシー、過眠症など
④概日リズム睡眠・覚醒障害群
体内時計異常など
⑤睡眠時随伴症群
夜驚症、夢遊病、悪夢障害など
⑥睡眠関連運動障害群
むずむず脚症候群、歯ぎしり、ピクピクなど
⑦その他の睡眠障害
上記以外で睡眠障害に該当する症状
このように『睡眠障害=不眠』ではなく、広い意味で『睡眠に関して異常が現れた』状態を指します。
睡眠障害の原因
睡眠障害の原因は多岐にわたりますが、一般的な睡眠障害の原因を挙げます。
①ストレスや精神的な問題
仕事、学業、家庭などのストレスが睡眠に影響を与えることがあります。うつ病や不安障害などの精神的な問題も睡眠障害の原因となることがあります。
②生活習慣の影響
不規則な睡眠スケジュール、過度なカフェインやアルコールの摂取、運動不足、過度な食事などが睡眠に影響を及ぼすことがあります。
③身体的な健康問題
疾病や慢性的な痛み、呼吸器系の問題、心臓病、アレルギー、薬物の副作用などが睡眠に悪影響を与えることがあります。
④環境の影響
明るい照明や騒音、寝具や寝室の温度など、睡眠環境が適切でない場合、睡眠障害を引き起こす可能性があります。
⑤遺伝的な要因
家族に睡眠障害の経験がある場合、遺伝的な要因が影響を与えることがあります。
3. 当院で行う睡眠障害のタイプ別治療方法
『2.睡眠障害のメカニズム』で書いたように、睡眠障害の症状も原因も多岐にわたります。まずは多くの方がお悩みになっているであろう症状や長津田櫻花堂治療院で実際に治療した症状などから順に掲載致します。
①不眠症
●ストレス滞りタイプ
症状
□寝付きが悪い□夢をよく見る□イライラする□感情の起伏が激しい□お腹脇腹が張る□吹き出物がよく出る□寝返りをよくうつ□月経時に起こりやすい
原因
ストレスや怒り等によって気持ちがザワザワして巡りが悪くなっている状態です。その為落ち着いて眠る事ができず、寝入りが悪くなります。長津田櫻花堂治療院ではお話しを聞くことも治療の一つと考えます。伝える事で原因の整理ができ、気持ちが落ち着いて対処方法が見つかる場合もあります。治療は心も身体もスッキリするようなツボを選択し、ストレスで力が入ってしまった状態を緩めるようにいたします。
●心配事神経過敏タイプ
症状
□寝付きが悪い□夜中目が覚める□眠りが浅い□不安感□忘れっぽい□げっぷや吐き気がある□めまいがある□くすみがある
原因
『ストレス滞りタイプ』同様精神的なストレスが原因ですが「クヨクヨ」や「不安」等、比較的気分が落ち込むタイプの不眠と考えます。外部のストレスや刺激に対していつも構えてしまっている状態です。その為に落ち着かず寝入りも悪く、少しの物音やきっかけで起きてしまいます。心が穏やかになるようなツボを選択し、過敏になっている状態を緩めてゆきます。
●元気不足タイプ
症状
□寝入りが悪い□眠った気がしない□疲れやすい□倦怠感□立ち眩みをよくする□食欲がない□胃がもたれる□寝汗をかきやすいい□月経時に起こりやすい
原因
月経時や消化器の不調によりエネルギー不足が生じ、睡眠に必要なパワーが残っていない状態。冷たい物や辛い物など刺激が強い食べ物を避け、元気や血を補うような食事を積極的に摂りましょう。治療は月経時によく起こる方であれば血を補いながら、スムーズな経血の排出を促すツボを選択し、余計な体力を使わないように致します。消化器が不調の方には胃腸の働きを促すツボを使い、食べた物がパワーになるよう治療いたします。
●加齢・更年期タイプ
症状
□寝入りが悪い□早朝に目が覚める□夜間の頻尿□下半身の冷え□クマがある□寒がり
原因
年を重ねる事で若い頃の様なパワー不足が起きやすくなります。その為睡眠に適した体温まで上がらず寝入りが悪くなります。また、体内の水分が蒸発しづらくなる為、尿がつくられやすくなりトイレが近くなります。まずは腹巻きやホッカイロで胴回りを冷やさないようにしましょう。治療は不足した元気の底上げができるツボを選択し、体温が上がるようにいたします。
不眠症のまとめ
睡眠前・途中・目覚めトラブルの多くは精神的なストレスが多い場合があります。まずは「何が心を落ち着かせていないか」書き出してみるのも良いかもしれません。また、長津田櫻花堂治療院に来られる方で睡眠のご相談を受ける時は、今日にでもできる一番簡単な『ハーバード式呼吸法』のアドバイスをさせて頂いております。同大学のワイル博士が考えたもので、鼻から4秒かけて吸い、7秒止めて、8秒で口から出す方法です。何度かするうちに「あ、寝るモードに入った」という瞬間が来るので是非お試しください。この方法がある事で「寝られなければ呼吸法をする」という安心感も出てくると思います。さらに日中、3分ほど瞑想するのも効果的です。
②いびき(睡眠時無呼吸症候群)
●体調不良の始まりタイプ
症状
□体調に変化がある□鼻水が出る□咳が出る□喉がイガイガする
原因
主に風邪の引き始めに起こるイビキ。それほどイビキをしない方がしている場合は体調を見直す指標にすると良いかもしれません。
●ストレスタイプ
症状
□長期的なストレスがある□痰が黄色□便秘ぎみ□小便が濃い□喉が詰まっている感覚がある
原因
長期間のストレスによって起こるイビキ。標準~やせ型の体型なのにイビキのトラブルがある方に多いタイプです。ストレスは万病のもとでもありますので一度ストレスチェックをしてみましょう。
●暴飲暴食タイプ
症状
□偏食がある(甘い・辛い・濃い・深酒)□疲れやすい□日中眠くなる
原因
睡眠時無呼吸症候群になり易いタイプです。もちろん原因は体重増加です。また、浮腫みなどの水分代謝不良が原因の場合もあります。舌を見たときに『ボテッ』と太い『両端に歯形のようなギザギザ』がある場合は消化器が疲れて水分代謝が上手くいっておらず浮腫んでイビキをかいている場合もあります。サウナではなく、運動で汗をかきましょう。
●血行不良タイプ
症状
□ストレスがある□月経痛がひどい□冷え性□くすみがある
原因
血行不良によって気道が広がらないような状態です。標準体型の女性でイビキが気になる方はこのタイプの可能性が高いと思います。冷たい飲み物を飲まないようにし、お風呂や運動などで全身の血行を促進するようにしてみましょう。
いびきのまとめ
いびきの多くは太り気味体型になった事が原因です。まずは食生活や運動を見直しましょう。また、標準的な体型なのにイビキでお悩みの方は『体調不良』『ストレス』『血行不良』が原因かもしれません。今日からできるいびき対策は『気道のストレッチ』です。寝る前に鼻の下を伸ばしたり、大きなあくびをして気道を広げるストレッチをしてみるのも効果的です。
4、まとめ
当たり前の事ですが人には自分の身体を治す力があります。その力が最大限発揮されるのが“睡眠”の時です。現在提唱されている7~8時間の最適な睡眠時間は日本の多くの方が取れていないのと言われています。その限られた少ない時間でも質の良い睡眠ができるよう、この記事で原因を理解して対策ができる方が増えれば幸いです。睡眠障害は早期対処が大切です。些細な事でも睡眠に関してお悩みのある方は長津田櫻花堂治療院にメールかお電話頂ければと思います。