夜になると脚がムズムズして眠れないのはなぜ?原因とむずむず脚症候群を解説
目次
① はじめに
「布団に入ると脚がムズムズしてじっとしていられない」
「脚の中を虫が這っているような、なんとも言えない不快感がある」
「脚を動かしたり歩いたりすると少し楽になるけれど、横になるとまた気になる」
このような経験はありませんか?
痛いわけでも、しびれているわけでもないため周りの人に説明しにくい症状ですが、夜になると脚がムズムズして眠れない症状には「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」が関係していることがあります。
「疲れているだけかな?」と思ってそのままにしている方もいますが、睡眠を妨げるほど症状が続けば日中の眠気や疲労感にもつながります。
今回は脚がムズムズする原因やむずむず脚症候群の特徴、セルフケア、そして東洋医学・鍼灸ではどのように身体をみていくのかについてお話しします。
② むずむず脚症候群とは?
むずむず脚症候群は、英語ではRestless Legs Syndrome(RLS)と呼ばれる症状です。
大きな特徴は、脚に不快な感覚が出て、
- 脚を動かしたくて仕方なくなる
- 座っている時や横になっている時に起こりやすい
- 脚を動かしたり歩いたりすると一時的に楽になる
- 日中より夕方から夜に症状が強くなる
といった傾向があることです。
「ムズムズする」「虫が這っている感じ」「脚の奥がかゆい」「じっとしていられない」「ほてるような感じ」など、その表現は人によってさまざまです。
特に布団に入って身体を休めた時に症状が出ると、
眠りたいのに脚を動かしたくなる
↓
なかなか眠れない
↓
睡眠不足になる
という悪循環につながることがあります。
③ なぜ夜になると脚がムズムズするの?
むずむず脚症候群の詳しい仕組みについては、まだ完全には解明されていません。
現在は、身体の鉄の状態や、脳内で身体の動きなどに関わるドーパミンという神経伝達物質との関係などが考えられています。
また、
- 鉄不足
- 妊娠
- 腎臓の病気
- 末梢神経の障害
- 睡眠不足
- 一部の薬
などが症状に関係したり、悪化させたりすることがあります。
一方で、検査をしても明確な原因が分からないケースもあります。
そのため、
「脚がムズムズする=すべて同じ原因」
ではありません。
何度も症状が続いている場合は、単なる脚の疲れと決めつけず、身体全体の状態を確認することも大切です。
④ 「鉄不足」が関係していることもあります
むずむず脚症候群を考える時、特に知っておきたいのが鉄との関係です。
鉄というと「貧血」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、むずむず脚症候群では血液検査で明らかな貧血があるかどうかだけではなく、身体に蓄えられている鉄の状態なども含めて医療機関で評価されることがあります。
特に、
- 月経のある女性
- 食事量が少ない方
- 偏った食生活が続いている方
- 妊娠中の方
などで症状が続く場合には、鉄不足がないかを確認することも一つのポイントになります。
ただし、
「脚がムズムズするから鉄のサプリを飲めばいい」
というわけではありません。
鉄の補給が必要かどうかは検査結果や身体の状態によって異なるため、症状が続く場合には一度医療機関で相談してみましょう。
⑤ むずむず脚症候群以外でも脚はムズムズします
「脚がムズムズする」というだけで、必ずむずむず脚症候群とは限りません。
例えば、
- こむら返り
- 腰からくる神経症状
- 末梢神経障害
- 血流の問題
- 皮膚のかゆみ
- 筋肉の疲労
などでも似たような感覚が出ることがあります。
むずむず脚症候群では、
「安静にしていると出やすく、動くと楽になる」
「昼間より夕方〜夜に強くなる」
という特徴が判断するうえで重要になります。
単純な脚の疲労や筋肉痛とは少し違うところですね。
⑥ 自宅でできる脚のムズムズ対策
症状が軽い場合には、生活習慣を見直すことで楽になることがあります。
■日中に適度に身体を動かす
ウォーキングなどの適度な運動はおすすめです。
ただし、寝る直前に激しい運動をするとかえって眠りにくくなることがあるため、無理のない範囲で行いましょう。
■脚を軽くストレッチする
ふくらはぎや太ももをゆっくり伸ばしたり、軽くマッサージしたりすると、一時的にムズムズ感が落ち着く方もいます。
■入浴で身体を温める
寝る前に湯船につかって身体を温めるのも一つの方法です。「冷えると脚が気になる」という方には特に試していただきたい方法です。
■カフェインやアルコールを見直す
コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインや、飲酒によって症状が悪化する方もいます。
特に夕方以降に症状が出る方は、摂る時間や量を少し見直してみるのもいいでしょう。
■睡眠のリズムを整える
寝不足そのものが症状を悪化させることもあります。
毎日なるべく同じ時間に寝起きするなど、まずは睡眠のリズムを整えてみましょう。
⑦ 東洋医学では脚のムズムズをどう考える?
ここからは少し東洋医学のお話です。
東洋医学では「脚がムズムズする」という一つの症状だけを見て、すべて同じ治療をするわけではありません。
その方の、
- 疲れやすさ
- 冷え・ほてり
- 睡眠の状態
- 食欲や胃腸の状態
- 月経
- ストレス
- 舌や脈の状態
なども確認しながら、身体全体のバランスを考えていきます。
例えば、身体を滋養する「血(けつ)」が不足した「血虚(けっきょ)」や、身体を潤し落ち着かせる働きが不足した「陰虚(いんきょ)」、気血の巡りが滞った状態などを考えることがあります。
血虚について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
👉目の疲れ・筋肉のつっぱりが気になる方へ|血虚タイプの養生法
陰虚について詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉身体は疲れているのに眠れない方へ|陰虚タイプの養生法
特に、
「夜になると症状が強い」
「疲れているのに身体が落ち着かない」
「寝ようとすると脚が気になる」
といった状態は、東洋医学で身体を考えていくうえでも大切な情報になります。
ただし、脚のムズムズ=血虚や陰虚というわけではありません。
その方の体質やほかの症状も含めて総合的に考えることが大切です。
東洋医学では、脚だけを見るのではなく、なぜその症状が出ているのかを身体全体から考えていくことを大切にしています。
⑧ 櫻花堂治療院ではどのように考える?
櫻花堂治療院では、
「脚がムズムズするから脚だけに鍼をする」
という考え方だけではなく、まず身体全体の状態を確認します。
例えば、
- いつから症状があるのか
- 何時頃からムズムズするのか
- 動くと楽になるのか
- 睡眠はしっかり取れているか
- 疲労やストレスは強くないか
- 冷えやほてりはないか
- 胃腸の調子はどうか
などを伺います。
そのうえで東洋医学的に身体の状態を考え、必要に応じて脚だけでなく全身のツボを使って施術していきます。
また、筋肉の緊張が強い場合には、ふくらはぎや太ももなどの状態も確認します。鍼灸だけですべてのむずむず脚症候群を治せるというものではありません。
特に鉄不足や基礎疾患などが疑われる場合には、原因を確認するために医療機関を受診することも大切です。
櫻花堂治療院では、西洋医学的な検査が必要なものと鍼灸でお手伝いできる部分を分けながら、その方に合った方法を一緒に考えていきます。
⑨ こんな時は一度医療機関へ
脚のムズムズがたまに起こる程度であれば、まず生活習慣を見直して様子を見ることもできます。
しかし、
- 何週間も症状が続いている
- 夜眠れないほど症状が強い
- 日中の眠気や疲労が強くなっている
- 症状が徐々に悪化している
- 脚以外にもしびれや感覚異常がある
- 他の病気で治療を受けている
- 薬を飲み始めてから症状が出た
といった場合には、一度医療機関で相談することをおすすめします。
特に鉄不足などは自分では分からないことがあります。「年齢のせいかな」「疲れているだけかな」と我慢し続けず、原因を確認することも大切です。
⑩ よくある質問
Q. 脚がムズムズしたら、むずむず脚症候群ですか?
A. いいえ。脚のムズムズは筋肉疲労や神経症状などでも起こります。「安静時に出る」「動くと楽になる」「夕方〜夜に強い」といった特徴がある場合には、むずむず脚症候群の可能性を考えます。
Q. むずむず脚症候群は鉄不足が原因ですか?
A. 鉄不足が関係することはありますが、すべての方が鉄不足というわけではありません。自己判断で鉄剤やサプリメントを大量に摂るのではなく、気になる場合は医療機関で相談しましょう。
Q. 脚を動かすと楽になるのはなぜですか?
A. むずむず脚症候群では、安静時に症状が強まり、歩いたり脚を動かしたりすると一時的に症状が和らぐことが特徴の一つです。
Q. 鍼灸を受ければ治りますか?
A. 原因や身体の状態によって異なります。鍼灸では身体全体の状態を確認しながら施術を行いますが、鉄不足や病気などが背景にある場合には、その原因に対する医療機関での治療が優先されます。
⑪ まとめ
夜になると脚がムズムズして眠れない。経験したことがない方には伝わりにくい症状ですが、毎晩のように続く方にとってはとてもつらいものです。
むずむず脚症候群では、
「安静にすると脚を動かしたくなる」
「動くと少し楽になる」
「夕方から夜に悪化する」
という特徴があります。
原因には鉄不足などが関係することもあり、症状が続く場合には一度医療機関で原因を調べることも大切です。
そして東洋医学では、脚だけを見るのではなく、睡眠、疲労、冷え、胃腸の状態なども含めて、その方の身体全体をみていきます。
「病院に行くほどなのか分からない」
「脚のムズムズだけで相談していいのかな?」
そんなふうに迷っている方も、まずはお気軽にご相談ください。眠りたいのに脚が気になって眠れない。
そのつらさを我慢し続けず、身体から出ている一つのサインとして、一緒に原因を考えていきましょう。