薬に頼らず頭痛改善!痛むメカニズムと当院の治療方針

1.はじめに

数あるホームページから櫻花堂治療院のページを訪れて頂きありがとうございます。私自身も小学生の頃に悩まされていた頭痛。皆様はありますでしょうか?「半年に1回」位でしたら問題は無さそうですが「月に何度か」あるいは「毎日痛むから薬は手放せない」という方も少なくありません。今回はそんな頭痛の事を知りながら決して治らない問題では無い事を感じて頂ければと思います。

冒頭では多くの方が悩まれている3タイプの頭痛を解説し、後半では長津田櫻花堂治療院で行われている治療方針や実際の施術例を記載しております。

2.現代医学的による頭痛のタイプと治療法

頭痛は3タイプに分けられる

現代医学で分類されている頭痛の種類は大きく分けて『緊張型頭痛』『片頭痛』『群発頭痛』の3タイプに分かれます。また、頭部を打撲した後や今までにない位の強い頭痛は重大な病気が隠れている可能性もあります。その場合は速やかに最寄りの病院へ受診しましょう。以下が頭痛のタイプと特徴になります。

①緊張型頭痛

緊張型頭痛の特徴

日本の約2000万人が悩まされているといわれる「緊張型頭痛」は、側頭部や後頭部。肩や背中にかけて分布している僧帽筋などの頭から首、背中にかけての筋肉のコリや張りによって、痛みを感じる神経が刺激されることで痛みが起こると考えられています。痛みは側頭部の圧迫感や締めつけられたような痛み。発生後数十分から数日間にわたり持続する事もあります。

緊張型頭痛になる生活習慣

緊張型頭痛の原因の多くは、デスクワーク、運転、スマホの見過ぎなど、長時間同じ姿勢や目の酷使により痛みが起こりがちです。

緊張型頭痛になる原因

現在のところ、緊張型頭痛の正確なメカニズムは完全に解明はされていないようですが、上記のような生活習慣や交感神経の過剰な活動、筋肉の緊張による血管の圧迫が主な原因だと考えられています。

②片頭痛

片頭痛?偏頭痛?

『へんずつう』と言っても『片頭痛』と『偏頭痛』がありますが、どちらも広辞苑に記載されているので正しいようです。しかし、国際頭痛学会では『片頭痛』の表記で統一されているので、医学的には『片頭痛』と書くのだと思います。ちなみに… 腕を挙げると痛む方が「自分は40代だから四十肩だね。」と言われたりしますが。医学的には『五十肩』の名称しかないので、どの年齢の方でも『五十肩』とカルテには記載します。

片頭痛の特徴

片側の頭部がズキズキと痛む頭痛をいいます。痛みは緊張型頭痛同様に数時間から数日続く場合があります。

片頭痛になる原因

メカニズムは未だ詳しくは分かっていませんが、遺伝的要因や、脳の血管の拡張により頭部の神経が圧迫されていることが原因ではないかと考えられているようです。特に片頭痛に関係していると考えられているのが頭部に分布する三叉神経です。これが血管その他の部位を圧迫することで、片頭痛が起こっていると考えられています。また昨今では三叉神経から放出されるペプチドの一つが片頭痛に関係していることがわかっています。

痛む前の予兆

片頭痛では痛みの前に前駆現象が起こる事が多くあります。割合として良く見られるのが『閃輝暗点(せんきあんてん)』と言われ、視界が急にチカチカしたり、ジグザグしたものが急に現れたりする事があります。また、気分のアップダウン、筋肉のこわばり、あくび、トイレの回数増加など、人によって現れる前兆現象は様々です。

③群発頭痛

群発頭痛が起きやすい人

20代~40代男性に多くみられる周期的に起こる頭痛で、目の奥や側頭部が突き刺すような強い痛みを生じます。

群発頭痛の原因

主に血管の拡張が原因と考えられ、痛みが集中する1~2か月を過ぎるとウソのように痛みが出なくなる場合があります。

群発性頭痛は放置していい??

初めて群発性頭痛が起こった場合は、クモ膜下出血や脳腫瘍など、重大な病気が原因の可能性もありますので、最寄りの神経内科か脳神経外科の受診を強くおすすめします。

ほとんどの頭痛で共通する原因

多くの頭痛で完全なメカニズムは解明されておりませんが、大半の場合はストレス、長時間同じ姿勢による筋緊張、明るい照明や日光、大音量の音楽、睡眠不足、偏食や不十分な水分摂取量による脱水、目の疲れなどによって引き起こされていると言われております。

簡易的な頭痛タイプの見分け方

  • 頭を少し振ると…

痛みが増す →片頭痛

痛みが出ない →緊張性頭痛

  • 風呂など血行が良くなると…

楽になる  →緊張性頭痛

変わらないor悪化する →片頭痛

の可能性が高いと思われます。また、20代~40代男性の方で、周期的に目の奥や側頭部に突き刺さされたような強い痛みが出る場合は群発頭痛の可能性が高いと考えられます。

頭痛の軽減方法

『頭痛が起こるメカニズム』にある、原因を一つずつ取り除く。また、緊張性頭痛の場合は温めたコーヒーなどのカフェインが含まれるものを摂取し、血液循環を良くするのも効果的です。片頭痛の場合は冷やす事で痛みが軽減する場合があります。

薬物療法の利点や注意点、考えられる副作用

  • メリット

処方箋なしで手に入る鎮痛剤を使う事が最も簡単で効果的な手段だと考えられます。慢性的な頭痛に悩む方の中には毎朝一錠飲むことが当たり前の方もいらっしゃいました。

  • デメリット

①依存性と中毒

オピオイド系など一部の鎮痛剤は依存性があり、継続的な使用により中毒症状が発生する可能性があります。これには精神的な依存も含まれます。

②効きづらくなる

長期間または過剰に使用すると、身体は耐性を持つようになり効きづらくなります。これにより更に使用頻度が上がったり、痛みのコントロールが難しくなる事があります。

③内臓へのダメージ

一部の非ステロイド性抗炎症薬やオピオイド系鎮痛剤は胃の粘膜を刺激し、胃潰瘍や出血を引き起こす可能性があります。また、アセトアミノフェン(パラセタモール)の過剰摂取は肝臓の損傷を与える可能性があります。一部の鎮痛剤は腎臓へのダメージも考えられます。

これらのデメリットが発生しないよう、適切な使用が必要であり、医師の指導を受けることが重要です。

3. 当院で行う頭痛のタイプ別治療方法

①緊張性頭痛

緊張型頭痛の原因は頭部や頚部にある筋肉の緊張が多くの原因と考えられます。また、これらの筋肉が緊張する原因として、

  • 長時間の同じ姿勢
  • ストレス
  • 眼精疲労
  • 睡眠の過不足
  • 飲酒やカフェインの摂取

などが挙げられます。緊張している筋肉を緩めると同時に、生活習慣で改善できる頭痛にはアドバイスを、頭部以外の筋肉が関係している頭痛であれば関連している筋肉も緩めます。また、精神的な原因の場合でも鍼灸治療を用いる事で改善する可能性があります。

②片頭痛

緊張型頭痛と同様、片頭痛の場合も血管や神経、ストレス等が原因で頭痛が発生する事が確認されております。また、ノルアドレナリンやドーパミンのような神経伝達物質による頭痛であっても鍼灸治療効果の一つにある『身体を正常運転に戻す』作用により改善できると考えます。

③群発性頭痛

未だに完全な原因が解明されていない事が沢山ありますが、上記2つの頭痛と同様に頭部から頚部の筋肉を緩める事が第一選択肢と考えます。また、群発性頭痛で特徴的な『ズキズキする痛み』は、東洋医学でいう『血の異常』が考えられます。頭部の治療と同時に全身の巡りが良くなるようなツボを選択して改善をはかります。

4.まとめ

頭痛は鍼灸治療や手技療法で改善できる可能性の高いお悩みです。薬を飲みなが『共存』するのでは無く、痛みと決別してスッキリとした毎日を取り戻しましょう!頭痛でお悩みの方は一度櫻花堂治療院にご相談ください。

5.事例紹介

30代女性  慢性頭痛

転職を機に、それまで我慢をすればやり過ごせていた頭痛が悪化してきた為来院。婦人科系のお悩みもあり『血の巡り』が関係していると判断する。経過を見ながら週1ペースを1か月ほど続け、現在は月1回ペースで来院。仕事上、月に何度か痛みが出るがその時だけ鎮痛剤を飲み、痛みを上手くコントロールしているご様子。

50代女性 美容鍼から頭痛治療へ

「額のシワが気になる」と美容鍼を希望され来院。お話しを聞いていると夜間帯の仕事もあり、その時は高確率で頭痛が起こり、医師からも片頭痛と診断されている。ストレスが原因で頭痛が起こり、眉間にシワが寄る為に深さが気になっている可能性を考え、鍼灸治療の中で美容鍼と治療を併用する事を提案する。仕事の関係で不規則ではあるが、10日に1回ペースで治療を継続している。夜勤明けでも頭痛は起こらず、周りからも「表情が明るくなった」とご報告頂きました。

40代女性 股関節痛治療から頭痛も改善できた方

日常生活に支障が出る程急に股関節が痛み、脚を引きづりながら来院。手技治療50分で7割程改善する。その後数日で痛みが消失し、再発予防も兼ねて1か月後に再来院。お話しの中で「治療から2週間ほど毎日続いていた頭痛が無かったが関係があるのか」という話題になり『滞り』が原因で股関節痛や頭痛が発生した可能性を説明する。現在は治療後3週間あたりで頭痛が出始めるようなので、その辺りの間隔で治療を行う。

著者の画像                    

著者:櫻花堂治療院 院長 大久保昌哉

横浜市緑区長津田にて櫻花堂鍼灸院を運営している大久保昌哉です。スポーツトレーナーとしての経験や介護福祉士としての資格を持ち、身体と心の健康をサポートするための情報をお届けしています。不眠症や冷え性、自律神経失調、腰痛、肩こりなど慢性的な疾患やケガなどの改善を得意としています。

最新の活動や日常の様子は、FacebookInstagramでフォローできます。

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