便秘は腸だけの問題じゃない│鍼灸師が解説する本当の原因とは

1.はじめに

いつも櫻花堂鍼灸・マッサージ治療院のブログをご覧いただきありがとうございます。
皆さんは毎日便が出ていますか?当院に「便秘がつらいです」と便秘そのものを主訴にして来院される方は、ほとんどいらっしゃいません。ところが施術の問診で「最近の睡眠」「冷え」「食欲」「ストレス」「お腹の張り」などを伺っていくと、最後にぽつりと


「実は便秘もあって…」


と打ち明けられる方が本当に多いのです。便秘は、恥ずかしさや「体質だから」「年齢だから」「薬で何とかしてるから」といった理由で、我慢しやすい悩みです。しかし、便秘が長引くと、腸内に便が滞り、腹部膨満感・食欲低下・気分の落ち込み・睡眠の質の低下など、全身の不調に波及することもあります。つまり便秘は、腸だけでなく“体全体の巡り”の問題として現れることが多いのです。今回はそんな「何となく後回しにされがちな便秘」についてご紹介しようと思います。

2.便秘の原因とは?西洋医学での定義と考え方

「何日出ていないか」だけが、便秘の基準ではありません。

実際に医療の現場では、排便回数だけでなく「排便の質」も重要とされています。たとえば、世界的な消化器疾患の診断基準であるRome IV(ローマⅣ基準)では、便秘を「排便回数の減少、強いいきみ、硬便、残便感などが慢性的に続き、満足のいく排便が得られない状態
と定義しています。

また、米国消化器病学会(ACG)でも、便秘は「排便回数が少ない、または排便が困難で満足感が得られない状態」と説明されており、回数よりも“スッキリ出せているかどうか”が重要であると明記されています。

つまり…
毎日排便があっても「出しにくい・残る感じがある」場合、それは医学的にも便秘なのです。

3.便秘と自律神経の関係~腸は“第二の脳”~

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、自律神経の影響を強く受ける臓器です。ストレスや緊張状態が続くと、交感神経が優位になり、腸の動き(蠕動運動)が抑えられやすくなります。

その結果、

●便が腸内に長く留まる

●水分が吸収されすぎて硬くなる

●排便時に強くいきまないと出ない

といったストレス性便秘が起こりやすくなります。

便秘が続くと起こる不調~自律神経との深い関係~

便秘は「お腹だけの不調」では終わりません。腸は自律神経と密接につながっているため、便秘が続くと次のような症状が出やすくなります。

●お腹の張り・ガスが溜まる

●肩こり・頭痛

●肌荒れ・くすみ

●イライラ・不安感

●寝つきが悪い、眠りが浅い

特にストレスや生活リズムの乱れがある方は、自律神経が緊張し、腸の動きが鈍くなりやすい傾向があります。便秘 × 自律神経は、非常に深い関係があるのです。

※自律神経について詳しく知りたい方は関連ブログ「疲れ・眠れない・頭痛…それ本当に自律神経?セルフチェックと対策方法」をご覧ください。

4.櫻花堂治療院が考える便秘|中医学によるタイプ別の原因

当院では「便秘=腸の問題」とはだけでは考えません。中医学では、便秘を体質や状態別に捉えます。

① 気虚タイプ(エネルギー不足の便秘)

☑いきんでも出ない

☑疲れやすい

☑排便後にぐったりする

➡高齢の方や慢性疲労がある方に多いタイプ

② 気滞タイプ(ストレス便秘)

☑ストレスが多い

☑お腹が張りやすい

☑便秘と下痢を繰り返す

☑緊張しやすい

➡自律神経の乱れやすい方に多いタイプ

③ 血虚・陰虚タイプ(乾燥型便秘)

☑便がコロコロ

☑口や喉が乾きやすい

☑眠りが浅い

➡女性や更年期世代に多いタイプ

④ 痰湿・陽虚タイプ(冷えによる便秘)

☑冷え性

☑むくみやすい

☑胃腸が弱い

☑食後眠くなる

➡冷えや運動不足が関係するタイプ

このように、同じ便秘でも原因は人それぞれ。タイプを見極めることが改善への近道です!

便秘に対する鍼灸治療~科学的データと当院の考え方~

近年、慢性便秘に対する鍼灸の研究も増えています。特に機能性便秘では、

●腸の蠕動運動の調整

●副交感神経の働きを高める

●緊張を緩める

といった作用が報告されています。櫻花堂治療院では「無理に出させる」施術は行いません。

✔ 自律神経
✔ 冷え
✔ 緊張
✔ 巡り

これらを整え、腸が自然に動ける状態を作ることを目的としています。

5.便秘でまず医療機関を受診すべきケース

以下のような症状がある場合は、まず医療機関の受診をおすすめします。

●血便が出る

●急激な体重減少

●強い腹痛や嘔吐

●急に便通が変わった

そのうえで、体質改善として鍼灸を併用するのは、とても良い選択です。

6.【FAQ】便秘と鍼灸に関するよくある質問

Q1. 毎日出ていないと便秘ですか?

A. 回数だけでなく「出しにくさ」「残便感」も重要です。

Q2. 便秘薬を使いながらでも鍼灸は受けられますか?

A. もちろん可能です。無理にやめさせることはありません。

Q3. 何回くらいで変化を感じますか?

A. 体質や期間によりますが、数回で「出やすさの変化」を感じる方もいます。

Q4. 高齢でも鍼灸は安全ですか?

A. 状態に合わせて刺激量を調整しますのでご安心ください。

Q5. 便秘以外の不調も一緒に相談できますか?

A. はい。睡眠・冷え・肩こりなどもまとめてご相談ください。

7.便秘で悩まないでください|櫻花堂治療院はいつでも力になります

便秘は我慢し続けるものではありません。「こんなことで相談していいのかな?」
そう思う必要はありません。櫻花堂治療院では、あなたの体質・生活背景に寄り添い、
便秘で悩まない日常を一緒に目指します。いつでも、あなたの力になります。小さな事でもお気軽に櫻花堂鍼灸・マッサージ治療院にご相談下さい!

【参考文献】

便通異常診療ガイドライン2023

https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00812.pdf

便秘の診断基準

Rome IV Criteria - Rome Foundation

Rome IV Diagnostic Criteria for FGIDs  

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著者:櫻花堂治療院 院長 大久保昌哉

横浜市緑区長津田にて櫻花堂鍼灸院を運営している大久保昌哉です。スポーツトレーナーとしての経験や介護福祉士としての資格を持ち、身体と心の健康をサポートするための情報をお届けしています。不眠症や冷え性、自律神経失調、腰痛、肩こりなど慢性的な疾患やケガなどの改善を得意としています。

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