風邪じゃないのに鼻がつまる…|鼻づまりの原因を解説いたします。
1.はじめに
数あるホームページの中から長津田櫻花堂鍼灸・マッサージ治療院のページを訪れて頂きありがとうございます。季節の変わり目の時期に『風邪をひいて鼻がつまる…』『風邪をひいてないのにこの時期は鼻がつまる…』という方は多いと思います。実際に当院でも鼻づまりではない症状で来られた方が『風邪では無いのに鼻がよくつまるんですけど何か理由があるんですか?』と聞かれる事がよくあります。今回はそんな鼻づまりについて前半は西洋医学の観点から、後半は私が治療の柱としている伝統中医学からお話ししていきたいと思います。
2.鼻づまりのメカニズム
鼻づまりとは…
鼻づまりとは、鼻腔が何らかの理由で閉塞または狭くなり、呼吸がしにくくなる状態を指します。主な原因は以下となります。
●炎症反応
風邪やアレルギー(花粉症など)副鼻腔炎などによって免疫系が活性化され、炎症性物質(ヒスタミンなど)が放出されます。これにより、鼻腔の血管が拡張し、粘膜が腫れます。
●粘液分泌の増加
炎症や乾燥した空気によって鼻腔内の粘液腺が刺激され粘液の分泌が増加します。この粘液が鼻腔内に溜まり、通気を妨げる原因となります。
●鼻腔の解剖学的要因
鼻中隔(鼻腔内を左右に仕切る壁)の偏位やポリープなどの解剖学的異常も、鼻づまりを引き起こす要因として考えられます。
鼻づまりの治療方法
薬物療法、抗ヒスタミン薬、鼻用ステロイドスプレー、去痰薬、解熱鎮痛薬、生理食塩水の鼻洗浄、蒸気吸入、温湿布、十分な水分補給、アレルゲンの回避、生活習慣の改善などにより、直接または間接的に鼻の通りを改善します。
3.当院で行う『鼻づまり』のタイプ別治療方針
長津田櫻花堂鍼灸・マッサージ治療院が考える鼻づまりの原因は比較的早く効果が望める急性期から慢性的な体質の変化が原因の場合と幅広くあると考えます。また、長期間お悩みであった場合はそれだけ身体の芯から改善していかなければならない為、通常より長めの治療期間を提案する場合がございます。回数券などで通いやすい料金設定もご用意しておりますのでお気軽にご相談ください。
●風邪初期タイプ
症状
急な軽い鼻づまり、透明な鼻水、くしゃみ、悪寒、汗は出ない
原因
風や寒の邪が体表のバリアを攻撃しているような状態です。その為背筋がゾクっとする悪寒が生じます。また、侵入を防ぐために鼻水やくしゃみで追い出したり、通路を塞ぐために鼻づまりを起こして対抗している状態と考えます。
治療方針
体表に停滞している邪を追い出すツボを選択します。また、お灸やホットパックによって体温を上げ、身体の中への侵入を防ぐようにいたします。
●風邪中期~慢性タイプ
症状
急な強い鼻づまり、濃く粘り気のある鼻水、寒がる、喉の痛み
原因
体表でせめぎ合っていた邪が体内に入り熱を発生させている状態です。体温も上がっている為寒さを感じやすくなり、水分が蒸発したような水気の少ない濃い痰や鼻水が出ます。また、腫れによって強い鼻づまりが起こります。
治療方針
当院ではこのような状態での発熱は『身体が邪と戦っている最中』と考えます。ご本人の辛さを聞きながら、危険と判断しなかった場合は無暗に熱を下げず、邪に対して抵抗力を上げる施術を行います。鼻づまりが厳しい場合は鼻周辺の熱を冷ますツボを選択いたします。
●湿の邪タイプ
症状
持続的な鼻づまり、臭いのある鼻水、冷たい飲み物を欲しがる、身体が重い
原因
偏った食生活や湿気の多い環境によって体内に水気が多く停滞している状態です。この水に熱が生じて膨張したせいで鼻の通路を塞ぎます。
治療方針
まずは体内の熱を冷ますツボを選択します。このタイプでは消化器の異常も考えられる為これらを調整し、食生活のアドバイスも必要であればいたします。
●慢性疲労タイプ
症状
左右交互に鼻がつまる、症状に強弱がある、便がゆるい
原因
慢性的な疲労や病気などにより体力低下に陥った状態です。その為身体の調節機能に異常が起こります。これが鼻周辺で起きると分泌する粘膜が多い場合は通り道を塞ぎ、少なければ腫れたりする事で鼻づまりを発生させます
治療方針
鼻づまりの原因である体力低下の原因を探します。このタイプの場合は体内の奥深くに原因がある場合が多くまnある為、時間をかけながら根本改善を目指します。
●水不足タイプ
症状
持続する鼻づまり、痰の出ない咳、鼻が乾燥して痒い、手足の裏が熱い、のぼせがある
原因
病気や加齢、乾燥した環境によって体内の水分が少なくなっている状態です。その為肺の動きが悪くなり鼻づまりというよりも『鼻の通りが悪い』感覚を覚えます。このタイプでは弱いながらも鼻は通っている事から味覚や嗅覚が鈍くなる事が特徴的です。
治療方針
体内の水分の質を向上させ巡りを良くするようなツボを選択致します。
●滞りタイプ
症状
慢性的な鼻づまり、鼻水は少ない
原因
慢性的な病気や運動不足、ストレスによって巡りが悪くなっている状態です。この巡りの悪さが鼻周辺で起きると停滞が起こり腫れが発生し、鼻の通路を塞ぎます。
治療方針
鼻周辺の停滞を解消するツボを使いながら根本にある巡りが悪くなっている原因を探します。運動不足やストレスが原因の場合はアドバイスもさせて頂きます。
4.まとめ
誰もが一度は経験のある鼻づまり。思い返すと風邪をひいていた時以外にもつまっていた感覚がある方は少なくないと思います。今後鼻づまりが起きてしまった時には体調の変化の目安として参考にされてはいかがでしょうか。
5.事例紹介
60代女性 水不足タイプ
加齢や多忙により疲れが抜け切れず、何とか元気を取り戻したいと来院。筋肉を使った時のようなコリは見られず、力が抜けたような状態と足の裏に少し熱感を感じた事で治療方針を決める。3回目の治療中に『ここに来るようになって鼻の通りが良くなった』と仰る。現在も鼻の通りは良い状態を継続している。