熱中症、夏バテだけじゃない!夏に気をつけたい体調不良
目次
【はじめに】
数あるホームページの中から長津田櫻花堂鍼灸・マッサージ治療院のページをご覧頂きありがとうございます。
先日、通院されている患者様に向けて「夏バテ予防法」をメールでお伝えしたところ「他にも夏に気をつけるべきことはありますか?」というご質問を多くいただきました。確かに夏といえば熱中症や夏バテに注目が集まりますが、実はそれ以外にも体調を崩す落とし穴がたくさん潜んでいます。
今回は、意外と知られていないけれど注意しておきたい「夏特有の体調不良」についてご紹介します。
【夏に気を付けたい7つのこと】
①ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)
●原因とメカニズム
暑さで喉が渇くとつい手軽にスポーツドリンクや清涼飲料水をがぶ飲みしてしまいますよね。これらの飲み物には大量の糖分が含まれており、血糖値が急激に上昇します。その結果、体は大量のインスリンを分泌して血糖値を下げようとします。しかし、その反動で今度は急激に下がりすぎ血糖の乱高下による「倦怠感」「頭痛」「食欲不振」といった症状が現れるのです。
●対策
日常的な水分補給は無糖のお水や麦茶を基本に。甘い飲み物は「疲れたときに少量」程度が理想です。
②電解質異常
●原因とメカニズム
汗をかくと体から水分と一緒にナトリウムやカリウムなどの電解質も失われます。これが補えないままだと筋肉のけいれんや全身のだるさ、頭痛などが起こることがあります。特に大量に汗をかく職業の方や運動をする方は要注意です。
●対策
水分だけでなく塩分・ミネラルも意識して補給を。塩タブレットや梅干し味噌汁などもおすすめです。
③脱水症
●原因とメカニズム
夏の脱水は、単なる水分不足だけでなく、食事量の低下や冷房による皮膚からの水分蒸発によっても引き起こされます。特に高齢者や子どもは喉の渇きを自覚しにくく、知らないうちに脱水が進んでいることも。
●対策
こまめな水分補給を意識しましょう。食事で水分を摂る工夫(具だくさんの味噌汁や果物など)も有効です。先日投稿したブログ「尿で分かる身体の脱水状態」を参考にするのもおススメです。
④夏風邪(冷房病)
●原因とメカニズム
強い冷房の効いた室内と外の猛暑。この寒暖差は自律神経に負担をかけ、免疫力が下がりやすくなります。結果として喉の痛み・鼻水・倦怠感といった“夏風邪”が長引く傾向に。
●対策
室内外の温度差を5℃以内に保つよう心がけましょう。また、就寝時は腹巻きや靴下で冷え対策を。冷たい飲食物の摂りすぎも避けましょう。
⑤素麺病
●原因とメカニズム
夏の定番素麺。食べやすいので毎日のように食べる方も多いですが、栄養が炭水化物に偏るため、体力や免疫力が低下しやすくなります。また、冷たい食べ物が続くことで、東洋医学でいう「脾胃(胃腸)」が冷えて消化機能が落ち下痢や腹痛を起こしやすくなります。
●対策
素麺にはたんぱく質(卵、鶏肉、大豆製品など)やビタミン類(野菜)を加え、温かい汁物やご飯との組み合わせで体を整えましょう。
⑥自律神経の乱れ(夏バテ・不眠・情緒不安定)
●原因とメカニズム
強い日差し、暑さ、冷房、寝苦しさ……これらのストレスが交感神経を優位にし、自律神経のバランスを崩します。結果として、睡眠が浅くなったり、気分が落ち込んだり、やる気が出ないという“夏バテ状態”に。
●対策
寝室の環境を整える(遮光カーテン・除湿など)深呼吸や瞑想、軽い運動で副交感神経を刺激するなど心身のリズムを整える習慣を意識しましょう。
⑦皮膚トラブル(日焼け・湿疹・あせも・蕁麻疹)
●原因とメカニズム
汗を大量にかくことで毛穴が詰まりやすくなり「あせも」や「湿疹」場合によっては「蕁麻疹」などの炎症が起こります。中医学ではこれを「湿熱(しつねつ)」と呼び、体内にこもった熱と湿気が皮膚に現れていると考えます。
●対策
汗をかいたらこまめに拭き取り、シャワーで肌を清潔に保つことが基本です。中医学では、苦味や利尿作用のある食材(ゴーヤ・冬瓜・はと麦茶など)も“湿熱”対策としておすすめです。
【まとめ】
夏は楽しい季節ですが、体にとっては過酷な季節でもあります。
熱中症や夏バテに加え、「ペットボトル症候群」「電解質異常」「冷房病」「自律神経の乱れ」など様々な不調が起こりやすくなります。
これらはすべて、日常のちょっとした習慣や意識で予防できるものばかりです。
「よく食べ・よく眠り・よく動く」ことを基本に、体の声に耳を傾けながら、元気に夏を乗り切りましょう!
お身体の不調や違和感があれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。